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2004年1月14日(水) 『号泣する準備はできていた』のか?~ファインディング・ニモ

 江國香織さんが直木賞を受賞した。
どうにも今年は芥川賞、19歳、20歳の二人の女性に話題は集中。。。
なのでここは一つ、江國さんを取り上げます。
だって江國さんはすごいのだ!
大体にして、そのタイトルからついつい惹かれてしまうものが多い。
今回の受賞作品『号泣する準備はできていた』もそう。
『泳ぐのに、安全でも、適切でもありません』 『すいかの匂い』 『泣く大人』 『泣かない子供』 
『つめたい夜に』 『落下する夕方』  『神様のボート』 『こうばしい日々』。。。
ね?どれもこれもおもしろそうでしょ?しかもお洒落!、 ん?そうでもない?
そう思う人、特に「自分は感性がある!」「五感を使って仕事してます!」って力入ってる男性に
読んで欲しいね。
打ちのめされるはず。だあね。
江國さんの「匂い」や「色」の表現にやられてしまふよ。きっと。
細部の表現もさることながら、短編集の全体まで、「ふわん」とした「色」や「匂い」を感じることができる。
まさに「五感」が解放される作家なんです。
さらに、『つめたい夜に』の「デューク」を読んで欲しいですね。ミステリーなのにホロッとする。
「第六感」まで解放されてしまいます。
そして、エッセイ「泣かない子供」、江國パパの言動に思わず声を出して笑ってしまうよ、きっと。
そして肝心な読み方。
「春の午後の日向ぼっこ」のような感じで読むのがオススメ!もしくは、「心地よい音楽を聴く」ような
感じで読んでみて下さい。さらさら、さらさら、と川の土手を散歩するようにね。
力んで読むのはNG。読み方も「方法」の時代です。
きっと、女性に支持される江國ワールドの凄さが分かりますよ。
さて、実はこれからが、今日の本題。
「ファインディング・ニモ」を見に行ったんです。(遅ればせながら・・・)
で、オリハシの友人で、中学教師さんにその話をしんです。彼はまだ見に行ってないようでしたが、
「クラスの子供の話では、賛否両論なんだよねぇ~」という言葉が返ってきました。
そんなの当たり前です。
だって「ニモ」は『感動する準備が出来ている』大人の為の映画なんです。
オリハシが中学生だったころに見たい映画、いや、見た映画は「Back to the future」や「ロッキー」です。多分、ニモは見たい映画に入らなかったと思うんです。
だって「泣かない子供」、いや「泣きたくない子供」だったから。
さらに言ったら、「感動する準備が出来ていない」子供だったからです。
江國さんはエッセイ「泣く大人」のあとがきで、こう言っています。
「私は『泣かない子供』から『泣く大人』に、いや『泣くことが出来る大人』になりました。」と。
感動する準備は出来ている。それでも、いや、だからこそ感動してしまうのですね。
もちろん、オリハシもその準備万端で見てきました。(2ヶ所ほど、ホロッときましたけど。)さすがに「号泣」ってわけにはいかないですね。
是非、見たがっている奥さんを連れて、見に行って下さい。(笑)
余談ですが。。。
これだけ、個性、個性って言われて、ナンバーワンからオンリーワンへ。。。
なんて言われてる時代。。。
「ファインディング・ニモ」を見て、みんなが一様に感動してしまう中学生のほうが
オリハシにとっては怖い。。。
だから、「賛否両論」はやっぱり当たり前で、健全ですよね?

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神奈川県 40代、作曲家・ミュージシャン、T様