昨年末からバタバタしてて、ゆっくり本を読む時間もとれなかったが、
今年に入り、ようやくペースを取り戻してきた。
今年、一発目の本はこれ↓
「反戦略的ビジネスのすすめ」(平川克美:著)
これは、とにかくおもしろい!
ビジネスとは、勝つとか負けるとか、戦略がどうのという問題ではなく、
ビジネスを面白がってやるべきだというのが、著者の主張。
著者自身は、ベンチャーのインキュベーションの仕事を中心として、日米でコンサルティング会社を経営している。
もちろんビジネスとは損得勘定なのであるが、最近流行の「グローバリズム的な思考」
「戦略思考」といったものが、ビジネスの面白さや精神を根こそぎなぎ倒していることに疑問を抱いている。
著者は、ビジネスは戦争であるという立場をとらない。
また労働が搾取されているとする自虐的労働観にも立たない。
はたまた、ビジネスが友好的なコミュニケーションの場だとする素朴な考えにも
異議を唱えている。
そして辿りついたのが、「ビジネスは1回半ひねりのコミュニケーション」だったという。
すごい!そうです!その言葉!鳥肌ものです!
「1回半ひねりのコミュニケーション」これだよ。
そもそも、オリハシの大学時代のゼミの専攻は
「戦略的経営学」「人的資源管理論」、
片っ端から経営学の文献、戦略的マーケティングの文献読みました。。。
卒論のタイトルも、ずばり。
「高不確実性市場における経営戦略~アパレル業界を探る~」
だってさ。(ほんと、アパレルバカ!)
社会人になってからも、出張時など電車の中で、
読んでましたよ、「戦略的なんちゃら~」とか「なんちゃら~マーケティング」とか。。。
でもね、だんだん気が付いてきた。
93年、94年の大学生のころはこういうビジネス書ってまだあんまりなかった。
でも気づいたら、95年以降は本屋に平積みされてるんだね、
「戦略本」が。。。
それだけでもう読みたくなくなっちゃった。
「これみんな読んでるだろうな」って。。。
もうやめよう!べつのアプローチを考えよう。
そう思ったのは、ナクールをやって2年目か3年目あたり。
ナクールをやりながら、根本的に考えたこと。。。
人の「欲望」とか、「交換」、「贈与」とかそういうこと。
そのことについて、著者の平川さんは実に明解に書いています。
ほんと、この本、久々に痺れたビジネス書です。
最後に目次を掲載しておきますので、興味のあるかたは買ってください。
序:わたしがビジネスを戦争のアナロジーで語らない理由
1:ビジネスと言葉づかい
2:ビジネスと面白がる精神
3:見えない資産としての組織
4:プロセスからの発想
5:モチベーションの構造
6:1回半ひねりのコミュニケーション
7:それは何に対して支払われたのか
8:攻略しないという方法
ね?目次からしておもしろそうでしょ?