今月、「オペラ座の怪人」を見る予定でしたが、
急きょ、予定変更。
「トニー滝谷」を見ました。いわゆるタンカンモノです。
やっぱり見るしかないでしょう。
原作は村上春樹さんですから。
ファンとしてはマストです。
しかも!主演:イッセー尾形、宮沢りえ 監督:市川準
音楽:坂本龍一!!こりゃ、見逃せません。
これはね、「レキシントンの幽霊」に収録?されてる短編です。
「トニー滝谷の本当の名前は、本当にトニー滝谷だった。」
西島秀俊のナレーションが、一気に村上春樹ワールドへと誘う。
彼は北野武「Dolls」で主演でしたね。
トニー滝谷はもちろんイッセー尾形、
美大卒のイラストレーター、トニー滝谷。その彼が
宮沢りえ扮する女性と出会い、結婚。その年の差15歳。
めちゃめちゃ、幸せな結婚生活だが、ただ一つ。。。
宮沢りえの「服を買わずにはいられない」症候群。。。が治らない。
「自分の足りない部分を埋めてくれる気がする・・・」
そんな言葉を放つ彼女。
身体は一つしかないのに、何百着という高級ブランドの衣装が集まった部屋。
そうだよなぁ。
理由は分からないけど、「服は人を魅了してやまないモノ」
本来そうあるべきだな。
とにかく「自然と手が伸びてしまう。。。ああ、どうしてオレ、買っちゃうんだろ?」
とも思わすヒマもないほど、人を釘付けにする。
ファッションって本来、そういう「恐ろしく、強いパワー」を持っているのだ。
いつもそういう人を魅了し、サプライズさせる!
そんな服を提案していきたいな。
トニー滝谷は、彼女の喪失後、
衣装部屋の服を見ながら初めて思ったこと。「無機質感」
いつも無機質なデザインばかり描いてきた彼。
だけど逆に、有機的なあたたかさをいつのまにか求めていた。
きれいな服を纏う彼女に思いをはせる。。。服は人が着て初めて、
息吹を持ち、輝き始める。
それを「彼女の喪失」によって知る。
「孤独感」「喪失感」といった村上春樹ワールドは健在。
好き嫌いは分かれるところでしょうけど、
いいです。この映画、映像も音楽も綺麗ですよ。