作家・村上龍氏と日本を外部から見つめる国際人としての目を持つ伊藤穰一氏との対話集。
日本の経済、教育、政治、メディア、エンターテインメントとあらゆるテーマにおける日本独特の現象や問題などに焦点をあてて展開される。
「個」を見つめるダイアローグ
村上龍×伊藤穰一
ダイヤモンド社
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村上龍は前書きで
「この本は、ポジティブな本である。~うんぬん~できれば好きな飲み物とともに、リラックスして、胸をわくわくさせながら読んで頂きたいと思う。」
と締めくくってる。
なるほど、2人の対話はかなり鋭い洞察力に裏打ちされいて、まるで自分のことを言われているようで、思わずしかめっ面になってしまう箇所も多かった。。。と言うか。そうだ、うん、あなた達がうらやましいです。。。というのが率直な感想だろうか。
とにかく考えさせられる部分は多い。
特に後半の「ブログに関しての二人の言及」はなるほどっと思えるモノだった。
伊藤:新聞記者の友人が僕のブログに書き込みをときどきしていたんだけど、最初は慣れていなかった。「こうでこうでこうだ。どうですか?」みたいな杓子定規な書き方しかできなかった。ブログは、もう少し中途半端な書き方じゃないとダメなんだよね。「自分はまだ把握できていない、だから自分が考えるのを手伝ってもらいたいんだけど、どうだろう」と書いたほうが、多くの人がフィードバックしてくれる。だけど、あらかた意見がまとまっていて、「で、いかがですか?」と聞かれても、「これでいいですね!」と言われているようなもので、反応しようがない。
村上:新聞記者って、自分で結論を決めて書く習性があるから。
伊藤:だから彼に言った。「結論は出しちゃダメだ。アイデアを出して、おもしろいネタを入れて、さらにちょっと考えさせる内容も入れてオープンな姿勢を見せないと、みんな読まないよ」って。
そうなんだよね。
オリハシも先日言われたんだよな。飲みながら。。。
「オリハシさんのブログに、なかなかコメント付けられないんです。」って
「毎日読むけど、勉強になりました。『ぺこり』で終わってしまうんです。」って
「自分はまだ把握できていない、だから自分が考えるのを手伝ってもらいたいんだけど、どうだろう」
この「ためらい」をちょっとづつ出しながらやってるんだけどなぁ。。。
もちろん、分かる人には分かってるんでしょうけどね。
「オリハシ日記」は折橋個人とナクール折橋の気持ちが行ったり来たりしてりる。
そこが自分のやりたいことなんだよね。そこに意識せずとも「ためらい」が出ると思うんだ。
やっぱり、お客さんから知り合った人でまだ若い人なんかは、
折橋知治に対する情報量が少ないからなかなか折橋個人なんてわかんないもんね。
特にファッションのことを書くときはさ、
「自信ないけど」どうでしょう?っていうのをどうやって表現していいかまだ正直分からないんだよ。いや、自信があるから売れるんでしょ?ということもあるしさ。
この前も書いたばっかりだけど、そんな自信もなければ商売なんて出来ないわけだし、「よしこれを売るぞっ!」とほぼ自己暗示に近いカタチで数ヶ月前から発注するんだからね。そりゃ自信を持ってオススメしますよ!
そこでいつも考えちゃう。
だけど、なんだかんだ理屈をつけて、さも合理的にこれが流行ってる風に書いたってさ、
最終的には「やっぱこれ最高!」「これだよっ!」的になトークしか出てこない(笑)
ダメだね。
もうちょっと長いスパンで読んでくださいね。お願いします。
自分の正当性を雄弁に主張できる人より、自分のいたらなさを吟味できる人のほうが、やっぱり魅力的だよな。少なくともオリハシはそう思う。もちろん両方出来るようになりたいな。にじみ出る!みたいにね。でも、そうはなかなか出来ない商売人オリハシなのであります。