やばっ、あのネクタイどこいったっけ?
言うまでもないことだけど、オリハシはほとんどノーネクタイな男。
今日はossyの結婚式、こういうとき以外にネクタイをすることは
ほとんど、ない。
しかもだ、昨秋口からはアスコットタイを多用していたので、
そのお気に入りネクタイの居場所は。。。えっっと。。。
昔取った杵柄ネクタイ箱を久しぶりにあけて見るも見あたらない。
あらゆる押入をひっくり返す。。。えっ?どこいった?
まさかクリーニングやさん?
それにしても、今更ながら自分の服の総量といったらすさまじい。
うううっ、どうしよ。あと2ヶ月半後には引っ越すんだけど。。。
まだ着るな。これは。
と思って2年以上着ていないピンクのジャケット!?、そしてレザージャケット。
などなど。。。
うん、これは寝間着に降格。
と思って数年着ていないTシャツ、パーカーたち。
ああ無情。
いやいや、同じように服の多さに愕然とするお客様だっているはず。
そうだよ。
引っ越すときになって初めて気づくんだよ、その事実に。
ずいぶんと昔のことだけど、親父からこんな話を聞いたことがある。
とてもナクール上得意のお客様が結婚することになって。。。
その婚約者の女性が彼の部屋に入っての開口一番の言葉。
「ちょっと!男のくせに洋服ありすぎよっ!わたしより多いじゃないっ!」
うむ、オリハシにとっても耳の痛い話だ。
だが、しかし、よくよく一点ずつ見て欲しい。
その一着一着の服を見れば、その時の光景が鮮やかに蘇ってこないか?
その時に感じた肌の震えるような感動までもが蘇ってこないか?
忘れていたキモチが蘇らないか?
タンスの肥やしは「肥やし」であるからして無駄ではない。
それらの下支えがあって今の自分があるのだ。
自分の物語を下支えしているものは一着の服でもありえるのだ。
ふっ、とそのネクタイを最後にしめたときを思い出す。
六本木ヒルズでの出来事が思い浮かび、オリハシのアタマの中でストーリーが蘇る。
自分の着ていたベルベットのスーツを思い出す。
あっあれは、確か。。。
ハンギングされ、ビニールのかぶったジャケット。そのハンガーをのぞき込む。
「やっと、見つけてくれたね。」
今日も、良質な物語となりますように。。。ネクタイを締め、キモチを込める。
ファッション以外に何が、誰がそんな瞬間を与えてくれるだろうか?