やっとここまでたどり着きました。
旧ナクールを明け渡して
仮店舗に移り、2年の時を経て
今日、この日を迎えるまで。
ほんとにたくさんのプロの仕事を見てきました。
特にこの新店舗造作には、
石、建具、壁、泥団子の土、
そしてこの素焼きの噴水に至るまで、
一つ一つのすべてにストーリーが、
物語が込められています。
それは一見すると意味のない無駄なもの
に見えるかもしれません。
そうです。
このお店には無駄なモノがたくさんあります。
何の意味があるの?とか、
何で?とか、
僕たちは、すぐに物事の訳や理由を知りたがります。
もちろん、自分だってその呪縛から逃れられません。
急いでジャッジして生きているんです。
でも、もっと時間が経たなければ分からないことって
世の中にはあるんじゃないでしょうか?
とにかくいったん受け止める、受け入れる。
そういう姿勢ってけっこう大事だとオリハシは思います。
いったん「カギ括弧」に入れて、仮留めしておく感覚。
あるいはメモ帳にコピペしてデスクトップの上にいつもおいておく感覚です。
それってすごい贅沢な時間の使い方じゃないでしょうか?
だからナクールに来たら「意味」や「理由」をいったん『』に入れて
保留して店を見てください。
「ラグジュアリー」という言葉がもてはやされて近しいですが、
ただ単に、ゴールドで飾ったり、大理石をふんだんに利用したり、
シャンデリアで演出したり。。。
ということだけが「ラグジュアリー」ではありません。
豪華な演出は無いけど、
石があって、土があって、
木があって、水がある。
もっとも飽きの来ないラグジュアリーがこの新店舗にはあります。
その一つ一つの素材に、その一人一人の職人に物語があります。
僕はその良質で、ちょっとコミカルな物語を、
洋服に添えながら、このお店で語っていきます。
洋服だって、ある意味、贅沢で無駄なものかも
しれませんね。
だけど、ナクールで買い物をすることが、
みんなのささやかな楽しみ、ちょっとの贅沢、
あるいは「やる気」の源泉に。。。明日への活力になれば。。。
一人一人にちょっとでも影響することが出来るなら。
このお店に初めてかすかな「意味」が立ち上がってきます。
このお店に長い時間をかけて意味を込めていくのは、
商売人オリハシの仕事です。
それがオリハシイズムです。
だから是非、
新ナクールをアタマで考えず、肌で感じてください。
あとから何かが、少しずつ、ゆっくり、じんわりと
皆さんに伝わったら幸いです。