先回、ショーウィンドウの話の続編。
これも聞きかじったお話ですが。。。
イギリス・バ-クレイ銀行のお話。
世界中に支店を持つ英国最大の金融機関の一つバークレイ銀行。
300年以上の歴史ある銀行です。
そのロンドン南部にあるクロイドン支店、
2004年に驚愕の広告を掲示したんです。
「取りに来た人全員に5ポンド差し上げます」と
通りに面した大きな窓に張り出したそうです。
通行人が途絶えることのない表通りの意表をつく広告。しかし2時間経過しても誰一人お金を取りに来る人はいなかったそうです。で、結局その2時間でポスターを剥がしたらしいんだけどね。
5ポンドといえば千円ほどか。。。
どうしてそんなことをしたのか?
バークレイ銀行の答えは
「顧客がうちの銀行の前を通りすがるとき何に気を取られているのか知りたかった」と。
結局、通行人はポスターの字も読まない、立ち止まらない、人々は銀行のサービス内容より派手なブティックのショーウィンドウに気を取られて街を歩いている。と。
う~ん、なるほど。。。
でもさ、やっぱりこりゃ怪しいだろ?って思うよね。
何かの間違いだ!と。
左脳で考えちゃう。「おい、ちょっとまて。」って思うよ。
でも、一人も取りにこなかったっていうのはやはり英国の気質なのだろうか?よく分からないけど。。。まさに「千円札は拾うな!」だね。
ブティックのショーウィンドウってどちらかというとさ、
感情に訴えかけてくるんだな。「思わず惹かれてしまう。」ってやつ。
昨日、ナクールの前を自転車に乗りながら女の子がこっちを見ながら通過したんだよね、「あぁ、なんかすげぇ見られてるな」って思った矢先、そのまま法政通りに立ってる電灯にぶつかってた(笑)
もちろん、たいしてスピードも出してなかったから転ぶまではぜんぜんいかないんだけどね。でも、恥ずかしそうだったな、彼女。
通りをちょうど眺めていたオリハシも笑わせて頂きました。
思わず引き寄せる何か。
それは作り手であるデザイナーの思いもあるし、
それを編集して伝えるオリハシの思いでもある。
オリハシがショーウィンドウにおいて
大事にしたいのはそういう目に見えないものなのだ。
服は言葉を発するわけではないが、確実にあなたにしゃべり書けているんだよ。
耳を澄ませるんだ。蛤のように注意深く。