昨夜は洗濯のお話でした。
ついでに今日はクリーニング屋さんのエピソードをば。。。
いつの頃からか、
「小杉ランドリー商会」のおじさんがナクールまでクリーニングを取りに来てくれるようになりました。(笑)
もう3年くらいだろうか?
もちろんオリハシのステージ衣装、いやもとい、個人の服を取りに来るわけです。週に一度、火曜の午前中には必ず来てくれます。
もちろん毎週出すクリーニングなんてオリハシには無いので、無いときはジェスチャーで×印を出してあげるとそそくさと退散していく。という無口でとってもシャイなおじさんなのです。
数枚の洗濯物を出すとしますよね?
で、出来上がりの日にあるシャツだけ持ってこなかったりするんです。
おじさんはぼそっとこういいます。
「納得がいかなかったから、もう一回。。。(時間をくれ)」
みたいな(笑)
「あっ、別にいいですよ。すぐに着るわけじゃないから。」
自分で納得がいかなかったからもう一回っていうのはいいですよね。
「これが自分の力量だ、と勘違いされては困る!」
という気概のようなモノをふつふつと感じずにはいられません。
無口でシャイ。というのは職人さんに共通で見られる傾向ではないでしょうか?いや、あまりにティピカルな発想でしょうか?
思い返すとあながち出鱈目というわけではないと思います。
考えてみれば、昨今の素材はクリーニング屋さん泣かせな素材が多いと思います。ホントに。
くそ、これまたナクールの服じゃないか?
そう思われてるかたも多いのではないでしょうか?
昔気質なクリーニングやさんって例えばポリウレタンコーティングのコートやジャケットなんかは「なんだ?この素材?」とか思うでしょうね。
でもそこで「よし!」と意気に感じてもらって仕上げてもらうとホントに嬉しいものです。
実はオリハシはそのクリーニング屋のおじさんに4回ほどナクールの服を購入して頂いたことがあります。
そう、おじさんは4回とも酩酊していました。
あれっ?妙な時間(日曜夕方とか。。。)に来たなぁ。と思ったらちょっと赤ら顔でナクールに登場。
紅潮した職人さんが饒舌なのはこれまた共通に見られる傾向でしょうか?
おじさんはやや呂律が回らないながらもオリハシに向かってこう言います。手つきはちょっと曲がりながら。。。(まだおちょこを持ってる風)
「おじさんにも着れる服は。。。ヒィック、あるかな?」
とベーシック系のシャツの方へ足は向かう。
「ナクールさんっ!、マスタァの服はさすがっ!
素晴らしい洋服を揃えてるよっ!」(ヒィック。。。)
「あっ、ありがとうございます!(オリハシ、ペコリ。)」
「他のとは。。。ヒィック、違うな!ぜんぜんっ!」
おじさんは急に真顔で、
「いつも勉強させて貰ってます。ヒィック。(アタマをさげる)」
クリーニング屋さんにお褒めの言葉を頂くのは嬉しい限りなのだ。
「変な素材の服ばかり扱って!」
と言われるのとは天と地と程の差がある。
実際、そう言われてもおかしくない。と個人的には思っている。
が、おじさんは言ってくれた。
「いつも勉強させてもらってる。」と。
歳を重ね、経験を重ねた上での技術があったとしても。
それでも尚、変化に対応しよう。勉強しよう。
オリハシはそういう姿勢に敬服してやまない。
本当にアタマが下がる。
その上でオリハシはおじさんにたたみかける。
「こんな柄のシャツだったらいいんじゃないですか?」
とタッターソールやストライプのトラッドなボタンダウンをすかさずオススメして差し上げる。
「そうかぁ~?(ヒィック)」
赤ら顔のおじさんの笑顔。
それを見るのが嬉しくてたまらない。