橋本治、この人の本けっこう好きです。
独特の語り口が好き嫌いわかれるところでしょうけどね。
「わからない」という方法 / 橋本 治 (著)
いわゆる「ノウハウ本」って喉から手が出るほど欲しくなるんだけどさ、指令がくるんだよね。「やめろっ!そこには正解はないぞっ」と。だから手を引っ込めるようにしているオリハシ。
「これをマスターすればあなたも○○ができるようになる」
という種類の本ってあまり好きじゃないんです。
だから、これはどちらかというと「役に立たない」本です。(笑)
役に立たないけど大事なことが書いてある本ってけっこう多いと思います。
何かを、あるいは誰かを理解しようと思ったとき、2種類の人がいます。
対象のことを「完全にわかることができる。完全な正解がある。」という地点からスタートするか、「対象のことは完全にはわからない」というところを前提とするか。
もちろん後者の立ち位置がけっこう重要だとオリハシは思うんですよ。
中腰で耐える感覚かな。
橋本さんはこの本で「方法」を提示しているわけじゃなく、
「なんでも簡単に”そうか、わかった”と言えるような便利な正解はもうない」「人の言う方法に頼るべき時代は終わった」
そう言っています。
自分の頭と身体で考えて地を這うように物事にあたる。
商売も同じだと思います。