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2007年6月9日(土) 万引きについての考察

久しぶりに店頭奮闘記です。
万引きについて。
う~ん、危ないネタである。
誰が見てるかわかんないからね。
しかしながら、お店側から見た、あるいは考えたこの万引き考察はナクーリストである読者の方々にとっては興味をそそる話ではないだろうか?
良くも悪くも、仮店舗の2年間とリニューアル後は万引きはゼロである。
そう、自信を持って言える(笑)
shop2003itennmae.jpg
昔のナクールはモロに法政通りに面していたためにディスプレイやボディが。。。。ちょっと、オリハシくん、それは危ないんじゃないか?と思われる飾り方もあったのは否めない。
実際に両サイドの脇にかけた中綿のブルゾンとか盗まれたことが、ある。
親父も昔、前方のボディに着せたレザーブルゾンを盗まれた。らしい。
「カランッ!」とボディが道に転がる音で気が付いたらしい。
ま、以前のナクールの形態であれば、「取られるほうにも非があるのだ。」
先に「よくもわるくも」と書いたのは、いい意味で「万引きを欲望させるくらいの魅力ある服を扱ってなんぼ。」ということである。これは父も言っていたことだ。そして「脇が甘い」というのはいろんな人が「入店しやすい」というのとほぼ同義でもある。
だがしかし、万引きというのはその服が万引きを欲望させるわけではないのだ。そのことについてちょっと考えてみた。
以前のナクールでの話。
以前はオリハシが休む木曜日もNatsukoさんが一人で店頭に立って営業していた。火曜日はオリハシが一人営業、そういう交代制を採用していた。
で、だ。
まんまとねらい打ちされたのだ。
そう、木曜日を。
オリハシが店頭にいなくて、おばさんが一人でやってる日をねらい打ちされたわけだな。
その高校生4人組たちの手口はこうだ。
まず、4人バラバラに動く、一人がNatsukoさんに「服について話しかけ」マンツーマンで釘付けにする。
そして、残りの3人はあらゆる商品をアットランダムに広げたり、持ったりしながら違う置き場所に移動させるのだ
どこに何があったか?を混乱させるわけだな。
そして、試着したいとかいいながら、パンツを試着する。
Nastukoさんは他に何か持ち込んでいないか?どうか?に当然気にかけるが、それも一人に釘付けにするための手口なのだ。
そして、もちろん何も買わないで去っていくが、
いろいろバラバラになった商品をたたみ直し、元の位置に片づけたあたりで、「一つだけ」取られたことに気が付く。
という寸法になっている。
巧妙、かつ狡猾である。
ここで木曜日を締めることにしたらなんだか悔しいよね?
なんかさ、やつらに白旗あげたみたいじゃない?
オリハシは休日を返上し、木曜日も店頭に2ヶ月ほど立ち続けた。
数週間後、
「おっ、いかにも」と思わせるどこかの高校の制服を着た輩が2人入ってきた。
「う~ん、4人と聞いていたが。。。2人か。
こいつらじゃないかな?」
とも考えたが、それにしても「臭う」のだ。
こーいうのに理屈は、ない。
とにかく商売人としてのカンというやつだ。
今だから一つ言えることは、
オリハシが「いらっしゃいませ」と言ったときに、
その二人は、紛れもなく。。。
「え?、何でお前が今日いるんだ?」
という表情をしたのだ。
オリハシが「ん?」と思ったのはその表情である。
ちょうど、Natsukoさんが奥から出てきた、その瞬間、オリハシもNatsukoさんのほうを「チラ見」する。Natsukoさんの表情と目、そして口元はオリハシに無言でこう告げた。
「あいつらよ」と。
やつらは「ナクールの服」が欲しくて万引きするのではない。
それはたぶん、ゲームに近い感覚なのだろう。
スリルをリアルに味わうゲームなのだ。遊びなのだ。
なぜ、そんなことが成立してしまうのか?
彼らは、多分、物心ついたときから消費者なのだ。消費主体で育っている。
お店に入れば、間違いなく「一人の独立したお客様」として扱われることを知っているのだ。
ともすれば学校でもお客様である。
「お店側の売りたいんだろう?」という心理を逆につかれているような気がした。
このゲームを成立させない手段は一つしかない。
お前等には売るつもりはないよ。
君たちと等価交換するつもりはないよ。
ということを悟らせることである。
オリハシは話しかけるなオーラを出し(笑)、
そいつらが、広げていいですか?と聞けば、「ダメだね。」と応じ、
シャツを手に取ろうとしたヤツには、
「それ似合わないんじゃないか?やめときなよ。」
とそのハンギングされたシャツを取り上げて戻した。
「なんだ、こいつ」という高校生の視線を後方からたっぷり浴びた。
それ以来、やつらはナクールに一度も来ていない。
君たちの遊びに付き合ってるほどヒマじゃないんだよ。
ほんとに。
ま、今頃は大人になってるかな?(笑)
ええ、いつでも待ってるよ。
お金持ってきてね。

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新丸子の写真館「写真道場」さんとのコラボレーション企画、CRS活動としての洋服ポスト・・・etc

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VOICE of nakoolistお客様の声

昔から服が好きでいろいろなショップで買ってきましたけど、大手のショップは総じて押しの強いタイプの売り方をする人が多かったんです。(自分は強く押されるとなかなか断れないんです。)帰ってから「あぁ、これも買っちゃった。」と後悔することが多かったのですが、オリハシさんは本当に似合うと思うものを絞って勧めてくれます。(これは止めた方がいいとも言ってくれる)また以前購入したものと比較しながら少し違った挑戦もしてみようかと思わせてくれます。
横浜市磯子区、40代、会社員、M様