お盆休みということで久しぶりに店頭奮闘記です。
そろそろ長いヤツ読みたいでしょ?
これも随分昔の話になります。
あまり思い出したくもないお話ですが。。。
もちろん仮店舗より前、以前のナクールのお店の時ですよ。
たま~に「ふらっ」とやって来て購入していくお客様。
「あっ、どーも!」ぐらいの距離感で十分。
それ以上、お互いに名前も聞き合わない。そーいう距離感なお客様。
年の頃どうでしょう?ちょうど今のオリハシくらいでしょうか?
35くらい。。。(当時のオリハシは29歳くらい。)
いつもデニムに無地系カットソー、サングラスそしてバッグはルイ・ヴィトン
というのが定番な感じ。
冬はそれにレザーものを着ていたね。
雰囲気?
うん、特徴あるほうだと思います。ちょっとオイリーな髪の毛具合が。
買いっぷり?
うん、ちょっと渋め。
よく、AVIREXデイリーシリーズのTシャツ(¥1995-税込)を買って貰っていました。
シロとか、クロとか。。。
その日も白・黒で2枚お買い上げ頂きました。
すると、次の日も午前中にやって来るではないですか!
オリハシ、ちょっとびっくりした顔で
「いらっしゃいませ。」
「今日はお願いがあって来たんですけど。」
「え?なっ、何ですか?」
「昨日買った、これ、一つ返品したいのですが。。。」
と昨日、購入したAVIREXのデイリーTシャツのクロをルイヴィトンから取り出した。
見たところまったく開封した様子もなく。
巻かれた帯もそのまま、ビニールもそのまま。
おお、そーですか。
じゃぁ、ご返金しますね。
というような素直な販売ではやっていけないのがこの世界。
返品するからには、何か理由があるのでしょう。
それを聞かなきゃはじまらないよ。というのがオリハシのスタンスである。
時間をかけて販売した自負があるよ。
「えっ?どーかなさったんですか?」
「どーしても欲しいルイヴィトンのバッグが明日、某ドンキで限定数量発売になんですよ。
その為に、お金が少し足りないんです。明日の朝にはもう一度、これを買いに
来ますから一度、返品させてください。」
思わず絶句するオリハシ。
こいつオレのこと怒らせたいのか?
理由なんて聞かなきゃよかったよ。
それはホントのことなんだろうか?
嘘でもいいから、
「実は以前に買った同じクロがまだ開封してないのが家にあって。。。
すみませんが今回は。」ぐらい言って欲しいところだ。
それが、お店への気遣いってもんじゃないだろうか?
どう思う?これって。
「申し訳ないけど、それは出来ませんよ。」
オリハシはそー言ってしまった。
すると彼は「えっ?!どーして?」というような表情でオリハシに迫る。
「明日の午前中には、もう一度、買いに来ますから。」
その言葉がどーにも信じられないのだ。
そんなふうに使われるお店ってどうなんだろうか?
バカにすんなよ!
この人、あといくら足りないんだろうか?
もし仮に¥1995-足りないとして、そのお金を捻出するオプションは
他にもあったはずだ。そーだろ?
どーしてウチに返品するというオプションを選んだのだろうか?
他に選択するオプションはなかったのだろうか?
どーしても納得がいかなかった。
もちろん人様の勝手だが、「ルイヴィトン」ってドンキで並んで購入するほどいいものなのだろうか?
ハッキリ言おう。
「ルイヴィトン持つウツワじゃないよ、あなた。」
とこみ上げる言葉を押しとどめるオリハシ。
多分、その行為に荷担することがオリハシにはどーしても出来なかったのだろう。
と今、思う。
その商品自体に問題、不備、瑕疵があれば、オリハシはもちろん返品に応じる。
だけども「拒絶の美の一線」を自分でもっている
ということはファッション屋にとってとても大事なことだと思っている。
彼のその後の来店?
そりゃ、ないよ。
ぜんぜんかまわない。
過去の店頭奮闘記・・・
おやじをめぐる冒険
おやじをめぐる冒険2
万引きについての考察