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2007年11月2日(金) 株式会社という病

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株式会社という病 著:平川克美
「不祥事の続く株式会社、事件は起こるべくして起こったのである。」
とても考えさせられる本。前作よりもより一層と思想、哲学に近づいた感じ。
インスピレーションを受けて、店頭での出来事を思い出しましたので。ちょっと書いてみますね。
「やさしいですね。普通(の店員)だったら、『大丈夫ですよ』~って売っちゃうのに。。。」
二人連れで来店されたお客さん。初めての来店。たまたまNakoolを見つけたらしい。。。「へぇ~こんなところに、こんなかっこいいお店あったんですね~」
 片割れの一人がディスプレイしてあるGROSBECのロンTに一目惚れしたらしく。。。「あっ、これ欲しいっ!これくださいっ!」とはやる気持ちを抑えられず、財布を出しながら言った。
「ちょっと待ってね。脱がすから。。。これ、Lサイズしかないんだけど。。。大丈夫かな?」
お客さんの表情が少しだけ、不安げな感じに。。。
「ここのは(GROSBECのは、)ちょっと細身に出来てるから、肩幅はいいかもね~」そう言いながら、鏡前で前身頃を合わせてみる。。。
明らかに袖が長いな。。。(オリハシは独白。)
「う~ん、ちょっと袖が長すぎるね。やめたほうがいいよ。」
すると、隣に冷静にたたずんでいたもう一人の連れの子が口を開く。。。
「お兄さん、やさしいですね。普通(の店員)だったら、『大丈夫ですよ』~って売っちゃうのに。。。」
喉から手が出るほど、現金が欲しいときにこの行為が出来るか?どうか?がポイントだとオリハシは常々思っている。「サイズがなんだろうが、着れればいいんだよ。」っていう人だって実際にはいるのだ。ということをオリハシは自覚しているし、実際に「よしここはたたみかけて売っちゃうぞっ!」っていうことも事実としてしばしば頻繁にある。その辺のさじ加減が「お互いの幸せの為に。。。」という文脈である。とオリハシは考えている。
が、その自分の販売行為一つ一つに自覚的である。という事実が病の発生を最大限、ぎりぎりいっぱい食い止めているのだ。
病に自覚的か?どうか?で行動は違ってくる。
明日は明日で、別のお客さんが何百人と来るとこでは、こんな悠長なことは言っていられないと思う。その行為を自覚せず、ただ機械的に利益を上げることをだけを至上命題にして、思考を停止させたとき病は発病するのだと思う。
以下は本書より。。。

病とは、人間の欲望や、企業の欲望に対して、それを必要以上に過大評価して、それにとりつかれることだと。なぜなら、健康とは病を抱えた全体が機能していることであり、病とは部分への偏愛とその亢進によって、全体を喪失することに他ならないからである。(P41.)
・・・
不二家の経営者を、無能だと言って責めることは、企業人であれば本当は誰もできないはずである。ただ、彼らの足りなかったものが一つだけあるとすれば、それは会社にとって、利益を出すことは目的であるに違いないが、その上位に、会社が存続していなければ利益もまたあり得ないという大前提があることが見えなくなっていたということである。会社の現実はよく見えていたが、会社が立っている枠組みは見えていないということである。会社が一時的に利益を失うというリスクを避けるために、違法なコストカットをすることが、会社自体の存続にかかわるリスクであることは見えなかったのである。
 株式会社は、常に会社の存続という長期的な目的と、利益の最大化という短期的な目的という互いに矛盾する目的をどのように調整しながら意志決定するかという課題を持っている。もし、経営トップが本当の意味での中長期の視野を持ち、株主圧力に抗しても会社の存続と安定的な成長こそが最も重要なプライオリティである。という経営者目線に立っていれば、CSRやコンプライアンスというものは、利益確保のための長期的戦略であることを理解したに違いない。(P140~141)

別にオリハシ自身にそんな余裕がいつもあるわけじゃない。
生々しくいおう。「常に在庫の現金化」しか考えていないし、一着でも多く売り上げたい。(笑)そー思っている。
だがしかし。。。という苦悩ばかりしてるのだ。(笑)
そうだよ、オレは病んでるのは事実だろう。
間違いない。

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VOICE of nakoolistお客様の声

ナクールに来て、買うまで、決めるまでのプロセスが楽しいです!自分で選ぶといつも同じような色やスタイルになってしまいます。これは自分では似合わないかな?と思ってもオリハシさんに勧められて着てみると意外にいいっ!という発見があります!私服で通勤出来る部署に異動になったので毎日、ナクールスタイルで充実しています!
川崎市中原区、30代、公務員、F様