Styling log

2007年11月14日(水) 言語とファッション

ちょっとうまく書けるかどうか不安だけど書いてみようと思う。
よく閲覧するサイト「内田樹の研究室」の記事からちょっとインスパイアーされました。あまりにアクセス数が多いサイトなのでトラバは勇気がなくて出来ません。(笑)このキモチわかります?
「ショコラ・リパブリック」というチョコーレート屋さんから展開する言語論です。以下。。。

「ショコラ・リパブリック」と読みながら、「変なの」と思った。
「チョコレート共和国」というのを英語で書くならChocolate Republic だろうし、フランス語で通すならRepublique du chocolat とかRepublique chocolatee (あ、これいいな「チョコレートフレイバーの共和国」)であろう。
どうしてこういうデタラメな表記をするのであろう・・・
と学者にありがちな定型的な反応をしたあとに、いや待てよと思った。
「こういうデタラメな表記」がすらすらとできるのはもしかすると
日本人だけではないのか。ある種の錯誤行為が「すらすらとできる」というのはあるいは能力の一種と言ってもよろしいのではないか。
そう思い至ったのである。

これってファッションでもよくある光景だと思うんですよね。
アメカジとヨーロピアンテイストのカジュアルを同じ店内で展開する。。。みたいな。ちょっと前の世代の人たちだったら難しい顔して「コンセプトは何なの?」みたいな事言われそうな。
流暢な日本語をしゃべるアメリカ人(だと思う。)が、Nakoolの店内を見ながら「日本は何でもありでおもしろいねぇ~」とHouseMusicにノリながら言っていたのを思い出す。
でさ、これって日本人独特のアワセであり、品のソロエなのではないか?と。オリハシも思うんですよ。
内田先生はこう展開します。

漢字は表意文字(イデオグラム)である。ひらかなやアルファベットは表音文字(フォノグラム)である。
表意文字と表音文字の組み合わせで言語を構築するのは漢字の周辺文化圏の特徴である。そこでは、ひさしくローカルな表音記号でシンタックス(連辞)を形成して、そこに任意の外来語をはめこむという混淆的な言語をつくってきた。
日本もそうだし、朝鮮半島もそうだし、インドシナもそうである。
でも、隣国の人たちは漢字を捨てて、ハングル表記に切り換えつつある。
韓国の若い人はもう漢字で自分の名前を書くのがやっとだそうである。
ベトナムも漢字を捨て、ベトナム文字も捨て、アルファベットに切り換えてしまった。だから、現在のベトナムの若者たちは70年前のベトナム人が書いたものをもう読むことができない。古い建物に行っても扁額も石碑も読めないのだそうである。
その中で日本だけが現地語の表音文字に外来語の表意文字をはめこむというスタイルの孤塁を守っている。

う~ん、なるほど。
ファッションのテイストって、ほとんど欧米からのものだけれども、それそれ自体は80年代くらいまでにすべて日本に入ってきて、それらを上から下まで全身に纏うことで「正統性」を主張してたような気がするんですよ。行き過ぎてついに和テイストまで辿り着いたあたりがマックスかな。ってオリハシは思ってます。
お店の流れで言うとさ、昔は品揃え店なんて言われて。それでもそれぞれにアメカジだったり、ヨーロピアンテイストだったりしたわけですね。それがワンブランドのショップになって、さらにまた編集品揃え型のセレクトショップに戻ってくる。。。そんな感じ。
テイストを横断させるアワセだよね。お店って。
2年くらい前にビックリしたのはさ、
迷彩のパンツに別珍のジャケット合わせちゃったりね。
でも、そこで「げっ、そりゃ、ないでしょ。。。」って思うより、「おっ、おもしろいね。」って思えるかどうかが分かれ目。
そこをおもしろがれると進化した迷彩パンツのブーツカットが登場する。
つまり同じミリタリーという属性を持つ迷彩パンツでもサイズが違って、シルエットが違って、あわせるトップスとシューズが違えば
言うところの「~なんちゃら~」が変わるのだ。
この「~系」ってのがかなり日本らしい「ショコラ・リパブリック」的な展開だと思うんだよね。
あまり言われないことだけど、この事実はけっこう重要じゃないだろうか?
ここからが本当に日本のファッションが楽しくなる時代かもしれない。
明日は木曜日ですが営業しますよ。
15日です。

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