服飾ってことに携わっているから、とか、接客業だから、と言うわけではないけれど「歯」って大事だ。
随分前にも同じようなことを書いたような気がするが。。。この「芥川賞受賞作家」に敬意を表してもう一度書いてみたい。
「歯」
もちろん、「ニコッ」と笑った時の見栄えのこともさることながら。やはり、うまい酒を飲みながら、「ガハハっ」っと豪快に笑いたいオリハシとしては奥歯も気になる。ヤニはついてないだろうか?とか。。。
歯医者に行って、口の中をあけると自分の「生き方」そのものを診られているような感覚になってしまう。
それは、もちろん歯医者さんが悪い訳じゃなく、自分の意識過剰であるのは承知であるわけですが。。。
だから、やっぱり一年に一回くらいは辻先生にお世話になるのだ。
「痛むとか、虫歯ってわけじゃないんですけど。。。ちょっと歯石を取りたいと思いまして。。。クリーンニングをお願いします。」
という具合だ。
辻先生は実にクールに、三谷幸喜を思わせるその風貌でこう言ってくれる。
「そうですかぁ~人生の垢が溜まりましたか。」と。
クールだ。そして知的だ。
そうだ、歯石とは人生の垢だったのだ。
ということは口内はまさにその人の人生そのもの。その人が生きてきた酸いも甘いもぎっしり詰まった坩堝なのである。
考えてみれば、人と「口の中を見せ合う。」という行為はちょっとやそっとじゃない。
「奥歯を見せ合う仲」
川上未映子はたたみかける。
・・・ああまず奥歯でってとこからはじめよう、奥歯っていうの素敵やろ、奥歯っていうのは硬いねん、大事なもんを入れておけるで青木くん奥歯、奥歯やねんって、・・・
すさまじき言葉の嵐、いや「奥歯」の嵐(笑)
芥川賞作家、川上未映子のデビュー作です。
「わたくし率 イン 歯ー、または世界 著:川上未映子」
あっ、ちなみに辻先生はオリハシがいつもお世話になってる歯医者さん。。。過去にも紹介してます。→こちら。