無性にピザが食べたくなって閉店後に中目黒まで。
中目黒と言えば、サヴォイ(現:聖林館)とか有名だけど。。。
オリハシ的オススメはイル・ルポーネ。
うむ、こっちが好きだな。
実は、GENETIC MANIPULATION、デザイナーKuriyaさんのアトリエのすぐ近くなのだ。展示会に行く時にお店の前をいつも通っていた。ずっと気になってたお店。「ここ良さそうだな。。。」と。
20席くらいしかないこぢんまりした感じ。中目黒らしい客層。。。いいね。
ガラス越しにピザ釜が見える。
しっかりライトアップされているあたり憎い。
上下に伸びたり縮んだりするデカイヘラのようなものにピザを載せて、釜に入れる。しばらく放置。。。おもむろに微震動を加えながら回転させ、かつ温度の加減なのか?位置も頻繁に変え出す。
見ていて飽きさせない。
焼き上がった。と思ったら、それはまるで瞬間移動するような速さで我らのテーブルの上に運ばれてくる。しっかりカットされて。
あれっ?さっきのは我らのではなく、もう一つ釜があってそっちで焼いてたの?と誤解するほどの速さである。
見るからに熱々のマルゲリータに手を伸ばす。
どこまで伸びてしまうんだぁ。。。というモッツァレラに思わず頬がゆるむ。
口に運ぶ。
あぁ。。。
おいしい。
ホントに美味しいピザだな。って感心してると。
斜め後ろから、「♪ハッピ、バースデートゥーユゥー♪」という歌声と手拍子が聞こえてくる。
女性の方は嬉しそうに、少しだけ、そう少しだけハニカみながら小首をかしげる。
その恥ずかしそうな彼女の笑みは、周囲のわたしたちをほっこりさせる。。。最初はスタッフだけの手拍子が、次第に20席全員の手拍子になる。そして、全員が祝福の笑顔になったとき、手拍子のリズムは同期して一つになる。
あぁ、とてもいいお店だな。
「非線形科学著:蔵本由紀」のことを思い出す。
集団同期現象。
ロンドンに新しくできた歩行者用の吊り橋「ミレニアム・ブリッジ」が大揺れに揺れて閉鎖になったという事件があった。
当初、オープニングとともに数百名の人々が両岸から押し寄せ、その後数分も経たないうちに、690トンもの橋が大きく揺れ始めた。
それはおよそ1秒周期で、S字にくねる波として橋に沿って伝わるような揺れだったそうです。後の調査でわかったことは、この橋は約1秒周期で変化する外部からの力に対して特に弱く、それに共鳴して揺れやすい。ということでした。
しかし、人々で混んでいる橋にどうして1秒周期の力がかかるのか?可能性としては、人々の歩調が原因ではないか?ということです。
橋を歩く人々の歩行ペースは平均して1秒に2歩程度だからです。左右2歩で1秒周期だから、つじつまが合っています。
問題なのは、人々の歩調はまったくランダムだと考えられるという点です。ランダムなら、平均として効果は打ち消されるはずです。しかし、この点こそが、集団同期が常識破りな点です。個々人の歩行をいう「リズム」が互いに同期して、集団として大きなリズムを生み出してしまったのです。橋という媒体が個々人の振動間の相互作用を媒介したのだと考えられます。(頁145-146)
お店という、Nakoolという媒体がどこまで皆さん、個々人の振動間に相互作用し、同期し、大きなリズムを生み出せるでしょうか?
少なくともイルルポーネはそーいう相互作用を生み出すことが出来るお店でした。