一昨日は、2人の経営者のかたが、各々のスタッフの為のプレゼントを買いに来店してくれた。
こーいうのって結構嬉しい。
もちろん地元の若き経営者さん。
ちょうど鉢合わせて、「あぁ!どーも!」的なノリに。
あ、やっぱり知ってるんだ。(笑)
こんな時、ささやかながら地元に密着してるな。って思うわけです。
何かと忙しいのが経営者。
それでも従業員、スタッフのためにプレゼントを。。。
都内まで足を伸ばして、買いに行ってる時間はないし。。。
「あっ、ナクールがあるじゃないか。」
と思って頂けるのは本当に嬉しい。
「ええ、ウチのアイテムたちは負けませんよ!」と思うわけですよ。
オリハシは声高に「地域密着です。」とは言わない。
逆説的だけど「地域から溢れちゃいますけど!」という気概で望んで初めて、密着できることもある。という考え。
しかしながら所詮は街のメンズ屋オリハシ君。
そーとーな気概で読まないとこの本は読み切れない。
かなり高尚な。。。というかハイブラウな。。。野心的なタイトル。
服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について
菊地 成孔 (著)
雑誌『Fashion News』連載の単行本。ひと言で言えばとってもかっこいい本です。初のパリコレクション取材やショー音楽プロデューサーとの対談はホント必見です。
いろいろと興味深い内容なのでとても一回では書ききれませんが。(笑)
ファッションショーに使われる音楽のほとんどはなぜハウスミュージックなのか?とか、モデルのウォーキングとハウスのテンポに微妙なズレがあるのはなぜか?とか。。。(TGCではモデル全員ズレない。。とか)
ケイタマルヤマのコレクションでのファンタスティック・プラスティック・マシーン田中知之の素晴らしいDJプレイにノる吉田美和の話。。。などなど。。。盛りだくさん。
中でも、パリコレ取材の記事は臨場感たっぷり。
文脈から著者の興奮が伝わります。
今回はこの箇所から。
ファッション業界の住人は(これは本当に、文化論的にも、社会学的にも、所謂「良い意味で」)意地悪でヒステリーで陰険でエレガントなやつばかりだと思うし、誤解を恐れずに言えば、職業意識としてそうあるべきだ。衣装の陶酔に身を捧げるというのは、拒絶と警戒と軽蔑が基盤にある世界でないと成立し得ないだろう。しかしそこに音楽が介在するとみんな<熱くて良い人>の顔を見せる(「見せてしまう」と言い換えてもこの際良い)。人の心を裸にし、どんどん繋げていってしまう、音楽というメディアの属性といえるだろう。(184頁)
う~む。
なるほど。
音楽というメディアの属性がそうであるならば、この「オリハシ日記」がオリハシの文章で奏でるブルースであるように。。。まるで音のように皆さんにそう聞こえて欲しいな。
なんて勝手に考えてしまうのであった。
最後に痺れたひと言。
「おろし立ての服を着て街を歩くあなたの歩みが、あらゆる外部をしっかりと意識しながらも超然とした時、あなたにはエレガンスが宿っています。」(108頁)