明日は木曜日ですが営業してますので。
ちょっと段ボール本箱をあさってたら出てきたので、久しぶりに一気読み。
「俺とワタナベの似ているところはね、自分のことを他人に理解して欲しいと思っていないところなんだ。」と永沢さんは言った。「そこが他の連中と違っているところなんだ。他の奴らはみんな自分のことをまわりの人間にわかってほしいと思ってあくせくしてる。でも俺はそうじゃないし、ワタナベもそうじゃない。理解してもらわなくったってかまわないと思っているのさ。自分は自分で、他人は他人だって」
「そう思ってるの?」とハツミさんが僕に訊いた。
「まさか」と僕は言った。「僕はそれほど強い人間じゃありませんよ。誰にも理解されなくていいと思ってるわけじゃない。理解しあいたいと思う相手だっています。ただそれ以上の人々にはある程度理解されなくても、まあこれは仕方ないだろうと思っているだけです。あきらめてるんです。だから永沢さんのいうように理解されなくたってかまわないと思っているわけじゃありません」
「俺の言っているのも殆ど同じ意味だよ」と永沢さんはコーヒー・スプーンを手にとって言った。「本当に同じことなんだよ。遅いめの朝食と早いめの昼食のちがいくらいしかないんだ。食べるものも同じで、食べる時間も同じで、ただ呼び方がちがうんだ」
「永沢君、あなたは私にもべつに理解されなくったっていいと思ってるの?」とハツミさんが訊いた。
「君にはどうもよくわかってないようだけど、人が誰かを理解するのはしかるべき時期が来たからであって、その誰かが相手に理解して欲しいと望んだからではない。」
たまに訊かれることがあって。
「オリハシさん、『わからないヤツにはわかってもらえなくたっていい』って思ってますよね?」と。
思わず絶句してしまうのだ。
オリハシ日記でそんなこと書いるかな?と。
いや、書いてるかもしれないぞ、オレのことだから。。。(笑)
これ、「ノルウェイの森(村上春樹)」の引用。
主人公ワタナベ君と、寮の先輩永沢さんとその彼女ハツミさん。
永沢さんの就職祝いの席、レストランでの会話。
このシーン。けっこう好きなんですよ。
オリハシはこの永沢さんってキャラが結構好きなんですけど。
こと、この会話に関してはちょっとスタンスが違う。
ちょっと荒いし、乱暴だよな。って思うんだよね。
正直、自分もそこまで自信家というか、強くはないかな。
もちろん、そうした不安を抱えつつ、「自分は自分、他人は他人」って思うことはたくさんあるけどね。どちらかというとワタナベ君のいいぶんに近いかな。
同じことを言っていても、右から来るのと左からくるのではやっぱり違うと思うんだよね。
ワタナベ君に近いけど、つまり「仕方ないとは思う」けど、「あきらめない」な。
それは奇しくも、永沢さんが言ってるように
その人に「しかるべき時期がくる」のを待つしかないんだけど。(笑)
もちろん、これってオリハシ的商売のお話であって、恋愛だったらまたそれは別の話。いや、同じと言ってもいいが。。。(笑)。わかる人にはわかりますね?この感覚。
でも、このシーンは何回読んでも考えさせられます。
で、思うに。
「ノルウェイ」って、永沢さんのキャラがあって、少し救われる感じするんですよね。好きとか嫌いとかにかかわらず。
単なる労働と努力することは違う。
「努力というのはもっと主体的に目的的になされるものなのだ。」
とかね。
ワタナベ君への最後のアドバイスがけっこう刺さる。
「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」
と。
不完全な自分を受け入れつつ、それでも前に進め。
そう言ってるような気がします。
「ノルウェイの森」(著:村上春樹)