「服買って元気でました。」
なんて嬉しい事を言われてしまったので。
最近読んだヤツからおやじっぽい台詞を。
(なんだか、俺もある意味おやじ職人かも。w)
怖がって生きるのも一生。安心して生きるのも一生。少々、何があろうとも、安心しているという修養を、自分もまた努力して己に課さなければならないと憲太郎は思った。
安心しているということは、能天気に油断しているというのとはまったく違う。物事にかしこく対処し、注意をはらい、生きることに努力しながら、しかも根底では安心している……。そういう人間であろうと絶えず己に言い聞かせることだ……。(下:81頁)
「強気と、無計画で無謀だってことは根本的に違うさ。強気ってのは精神の構え方であり、楽天的であろうとする心でもあるんだ。強気でときを待つっていうこともある。弱気で生きるのも一生。強気で生きるのも一生。同じ一生なら、強気のほうが、思い残すことがない。おい、弥生、笑えよ。お日さんの当たってないところに花は咲かないぜ。暗くて、じめじめしてるところには、げじげじなんかが生まれるし、黴もはびこる。人生も同じだよ。」(下:128頁)
決して若くない、けど成熟という言葉が似合う小説。
思うんだけど、成熟のないところに洗練された大人のカジュアルなんてあり得ないんじゃないか?と。はい。
宮本輝の至る箇所で見られる人間論、人生観に唸る。
「~略~物を作るってことは、人間が生きるっていうことなんやなァって思たんや。人間が正直に生きるってことの根本には、物を作るってことが要としてあるんやなァって。商売もおんなじや。物を作ってる会社は、いざというときに底力がある。右の物を左に移したり、左の物を斜めに動かしたりして利鞘をかせいでる連中は、世の中の動きがちょっと変わっただけで、ころっと転びよる。俺とこみたいな量販店は、まさにそれや」(上:52頁)
自分は何かを作り出していけてるでしょうか?
わたしだって小売業の端くれ。傍目にはまさに右から左。左から右に動かしてるだけ。
けれども目に見えない何かを作り出したい。
いつもそんなことを考えています。
ころっと転びたくないからね。
ちょっとメモ的に更新。
これからはこういった形式で本のネタをちょっとずつ更新していくこともやっていきます。だいぶ滞留してるので。(笑)
そうです、こうやって自分自身を奮い立たせてるんです、毎日。(笑)
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「草原の椅子」(著:宮本輝)