今度の土曜日。15日はお休みしなくてはなりません。
なので、明日の木曜日は営業してますよ。
平日、狙いなお客さま、是非是非!お待ちしてます。
今日は会計事務所のN君が来て、映画「ノルウェイの森」を少し披露しちゃったので、こっちにも書いてみます。
N君、まだ読まないほうがいいかも、これ。
全体としての雰囲気はすごく良かったですよ。映像として。(しかし、レトロな柄物シャツを着させ過ぎな印象。)
オリハシは1972年生まれだけど、その当時、大学生だった人ってきっとこうだったよね。
という雰囲気というか空気感みたいなものってたぶん忠実に表現されてると思う。
ナクールは1972年オープンなのですよ。昔のメンズクラブとかオリハシは幼少のころより見てました。
キャスト。
主人公ワタナベ君の松山ケンイチはまぁ、いいんじゃぁないでしょうか。
ボクは合格点。
どことなく若き日の村上春樹っぽい。(別に本人の物語じゃないけどね。)
直子役。
ここも意見は二分しちゃうと思うけど。。。
菊池凛子、よかった。
狂いっぷりが、いい。あれぐらいじゃないと直子はつとまらない。
歩く速度とか、狂いっぷり出てて。
次に緑。
かすってる。
すごくかすってる。
赤いワンピースを着て、サングラスをかけ、学食でワタナベ君に声をかけるシーンは完璧だった。
「お、いいじゃん、緑」って思った。
でも、その後はダメ。
緑がしゃべると賢明に笑いをこらえてた。(隣のa妻に「ダメだ、オレ笑っちゃうよ。」と、こそこそぼやく。)
ちょっと彼女には荷が重かったのでは?と思うわけです。
緑役は難しいですよね。
でも、きっとあれがいい。っていう人もいるかもしれませんけど。。。棒読み具合が。
でも、オリハシとしてはダメだった。同じ棒読みでももっと違う棒読みがあっていいのでは?と。
それから、永沢さん。
見る前に何人かにリサーチして聞いたところ、玉山鉄二の永沢さんが一番、はまり役!っていう声が多かったんですけど。
たしかにバッチリ。
だけど、惜しむらくは「生きたナメクジを3匹飲んで、上級生を黙らせた。」というとてつもないエピソードを挟んで欲しかった。
それがないと、イケメンでエゴイストで、ただのいけ好かない夜郎自大なやつになっちゃう。
永沢さんの人間的な魅力はナメクジ話を含めないと。そう思いません?
レイコさんの霧島れいか。
この人も微妙。
かすってる。
永沢さんのこともそうだけど、脚本的なところがかかわってきちゃう。
で、ストーリーの展開としては、けっこう裏切られたシーンがあります。
裏切り度高いです!
とりあえず3つに絞って話します。
緑の家にワタナベ君が行く場面。
なんか急ぎ足でキスシーンまでいっゃったけど、
原作では小林書店の屋上に上がっての火事を見ながら、灰をかぶりつつ・・・っていうのがポイントだったんですけどね。
それから、緑のお父さんをお見舞いに行く場面。
脳腫瘍で、ほとんど意識のないミドリのお父さんにワタナベ君が緑に代わって数時間看病するんです。
きゅうりを切って、海苔を巻いて食べさせる超魔術的シーン。
ここは名場面なんだけどね。
大胆にもさわりだけでカットされてました。
えええーーー!?ここカットしちゃうんですか?
この場面があるからこそ、ミドリはワタナベ君に惚れるんですけどね。
わかってないな。って思っちゃう。
そして3つめ。
最後の最後。
ワタナベ君の下宿先にレイコさんが訪ねてくるシーン。
これはやっぱり縁側ですき焼きしなきゃ。
(ワタナベ君は大家さんの離れ–縁側のある–を借りるのに、映画では普通のアパートを借りてました。)
二人で行う直子のためのお葬式なんですから。やっぱりすき焼き。(レイコさんが大家さんからすき焼き鍋を借りてくるのだ。)
そして、レイコさんは直子が着ていた服を着てくるんですよ、原作では。
直子もまるでそこにいるかのような・・・
そして、レイコさんはギターで50曲の演奏を直子のためにして、ワタナベ君は一曲終わるごとにマッチを一本ずつ並べていく。
二人で、直子のためのお葬式をすることで、心を許しあい、求め合う。
ワタナベ君は直子をこっちの世界へ連れ戻せなかったけど、
最後にレイコさんをあっちの世界からこっちの世界へ導くんです。
「ノルウェイの森」の中で、もっとも美しく、せつなく、感動的なシーンだと個人的には思うんですけど。。。
このシーンがなんとほぼ全部カット!!
すき焼きなし、ギター演奏無し、マッチなし、直子の服もなし、
つまり二人のお葬式シーンなし。
レイコさんはお泊まりしにくるだけ!(笑)
ワタナベ君
「本気ですか?」
という原作にない台詞に
我々も呆然。
これはいかがなものか?
と帰りの車の中、a妻と盛り上がりました。
なんだかんだ、映画見終わった後に、自分はどのように原作を読んだか?ということについてあらためて考えるので、
やっぱり映画ってそういう価値のあるものですよね。
そうそう、最初に少し書きましたけど、
ファッション的視点からいうと、登場人物に柄物着させすぎな印象です。
小紋柄とか、ペイズリーとか、そういうのって確かにその年代なんだけど、一方でワタナベ君なんかはもっとトラッドよりなスタイル。
ボタンダウンやチノパンなんかも着てる感じですけどね。
このストーリーってやはり死生感みたいなものが根底のテーマにあると思うんですよね。
死は生の対極にではなく、その延長線上にある。
っていう。
それについて感じたこと。あるんですけど、またそれは今度。