ども。オリハシです。
長く店をやっていると、やっぱり様々な年代、様々な職種、様々な趣味をもった人と出会うんだよね。
思うんだけど、あのままサラリーマンだったら、ここまでいろいろな人に出会ってなかったかもしれないなって。
たとえば、こんな時計を持ついかした大先輩とか。
なんていうんだから分からないけど、珍しいし「かっこいい!」って思って写真撮らせてもらったんだ。もちろんアンティーク、1950年代とかそれくらいだって話。しかも日本に数本あるかどうか!
このおじさん(あるいはおじいさんって呼べる年代なんだけど^^)、すげぇ、熱いのよ。
すごく自分のことを気に入ってもらっちゃって。ナクールのこともベタ褒めしてくれるんだけどね。
いかんせん、なかなかサイズがあわないんだけど^^; まぁ、しかたない。僕も無理には売りたくないから。
こないだしてた時計はマジ渋かった。
すごくない?SEIKOですよ、SEIKO ! made in JAPANですよ。シンプルで流麗なデザイン!金無垢でも嫌みがないよね~
しかも、1956年って。高島屋のマーク入り!これ、どういうことか?っていうとさ、よく読んでみると、「勤続25年記念」ってあるでしょ。
勤続25年記念に高島屋がSEIKOに別注で作らせて社員に渡したってことなんだよ。
すげぇ!
1956年に勤続25年だよ。
今、何歳だよ。その人。
何歳で就職したのか微妙だけど、16歳からだとしても100歳じゃないか!!!!
当時、10本あったんだって。これが!
すごい!こういうのロマンだよな。10人に渡したんだな。。。
高島屋も凄いね。懐深い。
僕はね、古いものがすべからく素晴らしいという立場はとらないよ。
年月が経って得るものがあり、年月が経って失うものもある。どこを照らすかで異なるし、それはただ個性の違いみたいなもんなんだと思う。
ただ、この時計が、このおよそ60年を見てきたんだと思うとやっぱり鳥肌が立つなぁ。
しかもどういう経路をたどって、おじさんの手元にたどり着いたのか?とか、もう長編小説だな。
今、この瞬間も時を刻み続けてるなんてね。
店舗を持つということは一箇所で長く留まっている商売だけど、未知の体験や初めての出会い、遭遇したことのない人との邂逅。そういうことを旅と捉えるなら、僕にとって商売は旅と同じだ。