昨日、Facebookのほうに上げた文章です。こちらにも転記しておきます。
はじめて勇気を出して、自分がいいと思った、知らないお店に入って買い物をしたことを覚えてますか?
そんなことを思いながら読んでいただくといいかもね。
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高校生がナクールに来ることはほぼないんだけど、先週、高校生らしき男の子が勇気を振り絞った表情で入ってきた。
塾の夏期講習に着ていく服が欲しいそうな。
「やる気になるような、気分が上がる服が欲しいんです!」と。
予算を聞き、いろいろとコミュニケーション。(この時間がもっとも楽しい時間!)
うむ、そーか、やっぱり人目を引きすぎるものは避けたい様子。なぜなら他者からの視線に耐えられないから。何より勉強に集中できないって、あ、そうかもね。
「まぁ、そんなに人は自分のこと見てないもんだぞ」っと身も蓋もないことを言うのは避け、「気持ちはわかるぞ」と優しくこたえてあげる。
実はそういう心象っていうのは時代の側面も写している。
ちょっとしたアイコンもの(昔はマークって言ってた)が売れるっていうのも目立たない、さりげない、平均点ちょい上狙いの、失敗しない意思表示だ。高校生から大人までね。(かといって無地だと頑張った甲斐がないなかーっと)
ふふ、ちゃんと用意してるのだよ、君の好みを。
でも大事なことは買い物を通して【これは自分でしっかり選んだ服だ】という印象を持ってもらうことなのだ。
ナクバックにそのTシャツを入れてあげる。嬉々として彼は言った。
「僕、3年間、毎日、ここを通ってて行き帰りいつも、いつもディスプレー眺めてかっこいいって思ってました!」と
「ずっとあなたが好きでした!」の告白を高校生から受ける。うん、おっさんは嬉しいぞ。
あれ?君は法政二高なのか?
聞けば、二高に来たのは本意ではなかったから、もう1度、別の大学にチャレンジするのだっていうことだった。
月並みだけど頑張ってほしい。
そして、大学生になってまたナクールに来たときには、まず自分の好みをストレートに選んで欲しいな。全体を整えるのはわたくしの仕事である。
ちなみにクールな印象のかっこいいの内側にはちょっとかわいらしいとこもあったりするのが人間なのよね。
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ディスプレーを褒められるというのはお店としてありがたいなーっていう気持ちになります。
あの先週、マネキンが着てたオレンジのパンツが欲しいんです。
この前までかかってた、あのワイドパンツのショート丈みたいなのが・・・
とか、
毎朝、通勤の時にディスプレー見るのが楽しみなんです。(これは女性に言われたー^^)
そういう意味では「そんなに人は自分のことを見てない」っていうのは嘘。
ここ数年、そう言われることが多くなったから、新しく武蔵小杉周辺に住む人が増えているのだ。
しっかり奏でれば届くのある。そして立ち止まって聞いて、店の中に入って購入してくれるのだ。
誰も知らないような無名のショップが奏でる演奏でも。
そう、だってオレは19年もここでやってるプロだぞ。