「セレクトショップってやっぱりオーナーのセンスですよね。自分の好みで仕入れてるんでしょ?」
僕よりも先輩で、よく買ってくれるお客様から最近言われた。
「自分の好みっていうか、まぁ、それはもちろんあるんですけど、長くやってるから、あぁ、あの人、これは絶対に着るだろうな(買うだろうな)って思い浮かぶんですよ」
「で、一人、思い浮かぶと4、5人は同系の好みの顔が思い浮かんで・・・」
「あ、そういう風にも考えるんだね」
・・・
自分が着なくても、僕がもしあの人だったら?ってと想像すると「こは絶対に着るな、着たいだろうな」っていう天からの声みたいな(笑)展示会を回ってるとそういうことがある。で、やっぱり喜んでもらえる。
僕についてきてくれる人のために!って痛切に思っちゃう。そういう時代なんだと思う。「なんでウチで買ってくれるんだろう?」って考え込んじゃうもの。やるからにはそのフォロワーの役に立たなきゃしようがない。多くの人の服のかかりつけ医みたいになってるから。
たぶん、僕に出会わなかったら「人生において、こんなにたくさん服を買うことはなかったのではあるまいか?」と思うと同時に、「さて、明日、何着ようかなー」と自分のクローゼットの中を考える時間が意外に幸せな時間なんだって気が付いてる人がたくさんいるんだ。
そして、その服には、オリハシの好みがちゃんと入っているのよ。
伊坂幸太郎の小説に、(たぶん、「アヒルと鴨のコインロッカー」だったと思う)
靴屋について思いを巡らせる主人公がこんな科白を言う。
「自分の売った靴を履いて、それで誰かが一日を生きているんだな」と勝手に想像して幸福感を得ることも、僕にはできる気がする。
これはまさに自分そのものじゃないかっ!って^^
だからいろいろ探し回るわけです。
って書いてるとさ、あたかも常連客たちのことしか考えてないのか?って勘違いされそうなんんだけどね。
決してそうじゃないのよ。
春夏秋冬っていうシーズンがあってそのサイクルでお店が回ってて、セレクトが入れ替わっていくわけだけど、初めての人で、ナクールで買い物したいなーって思うけど、どのタイミングで何を買おうかな?ってもしかしたら難しいかもなって思うことがある。
それは大縄跳びを大勢でやってる列にどのタイミングで入っていくか?っていうのに似てるのではないか?と。
もちろん、その時期に応じて相談のります。
漠然と来てもらっていいんですよ。。いきなりアイテムキメ打ちでこられるよりはね。
会話を繰り返すことで、自分の欲しいモノがわかることだってあるし。
自由に楽しく服を着るためにまずは何を?!っていうならパンツ、ボトムスのフィッティングから始めるといいかなー
先週の木曜日の休日も展示会を見てきました。(@ビッグサイト)